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장덕진 서울대 사회학과 교수는 "한국인의 가치관은 1980년대 물질주의에 고스란히 머물러 있다"고 한탄했다. 한국일보 자료사진

 

“어느 정도 예상은 했지만, 30여년이 지난 1980년대와 가치관이 너무 똑같아서 ‘우리가 이렇게 안 변했나’ 싶어 저도 당황했습니다.”

 

28일 전화로 연결된 장덕진 서울대 사회학과 교수가 말했다. 장 교수는 송호근ㆍ송복ㆍ김우창과 함께 쓴 책 ‘한국 사회, 어디로?’에다 ‘데이터로 본 한국인의 가치관 변동’이란 논문을 실었다. 앞선 3인의 글이 연대의식과 공공성이 부족한 한국 사회 문제점에 대한 통찰을 보여준다면, 이 글은 경험적 연구 자료를 가지고 이 통찰을 검증한 것이다.

 

경험적 연구 자료는 1981년 미국 정치학자 로널드 잉글하트의 제안으로 시작돼 전세계적으로 지금까지 여섯 차례 조사가 진행됐고 지금 일곱 번째 조사가 진행 중인 ‘세계가치관조사’와 이를 기반으로 만들어지는 ‘세계문화지도’다. 각 국가별 가치관에 대한 비교평가 자료로는 최고로 꼽힌다. ‘자기표현적 가치관’의 정도를 X축, ‘세속합리적 가치관’의 정도를 Y축에 놓고 가치관 조사를 한 뒤 국가별 평균을 좌표 위에 표시한 것이다.

 

잉글하트는 이 연구를 진행하면서 일정 정도 소득이 증대되면 ‘탈물질주의’가 등장한다는 점을 강조했다. 물질주의가 “경제성장, 권위주의적 정부, 애국심, 크고 강한 군대, 법과 질서”를 선호한다면, 탈물질주의는 “개인의 발전과 자유, 정책결정에 대한 시민의 참여, 인권과 환경을 중시하는 가치관”이다.

 

이에 따라 1981년 이후 세계 각국의 가치관 변화를 추적해보면 1인당 국내총생산(GDP)의 증가에 따라 다른 국가들의 가치관은 역동적으로 변한다. 조금 더 세속적으로, 그리고 조금 더 자기표현에 능동적인 형태로 나아간다. 이 변동에 예외적인 국가가 중국, 핀란드, 그리고 한국 3개국이었다. 중국은 세속합리성이 원래 아주 높은 국가여서 변화 여지가 적다. 여기에다 인구나 영토 규모에서 “신뢰성 있는 전국 단위 사회 조사가 어렵다는 점”을 감안해야 한다. 핀란드의 경우 원래부터 “매우 높은 세속합리성과 자기표현적 가치관을 가지고 있었다”고 봐야 한다. 이 곳 역시 변화 여지가 적다.

 

이렇게 보면 한국은 세속합리성은 높으나 자기표현적 가치가 낮은 상태를 계속 유지한 특이한 국가다. “1981~1996년 기간 동안 명목 GDP상으로 무려 7배 정도의 경제성장을 이루었음에도 불구하고 거의 변함없이 같은 자리를 지키고” 있는 “거의 유일한 예외 사례”가 된다. 자기표현적 가치가 낮다는 것은 “경제와 안보를 중시하며 자민족중심주의에 빠진 사람들이 많다”는 의미다.

한국, 미국, 일본 등에서 탈물질주의자 비율. 다른 나라들은 50%에 육박하는 수준인데 비해 한국은 불과 14%대에 머물고 있다. 아시아 제공

 

장 교수는 잉글하트를 따라서 각 국의 탈물질주의자 비율을 뽑아봤다. 그랬더니 미국 일본 등 다른 선진국들은 45% 수준인데 반해 한국은 14% 수준에 그쳤다. 대개 물질적 풍요는 심적 여유를 불러온다. 먹고 사는 문제를 떠나 조금 다른 것들을 찾아보게 하고 너그러워지게 마련이다. 한국 사람들은 이런 것 없이 오히려 더 강팍해지는 쪽을 택했다는 의미다.

 

장 교수는 그 원인을 ‘불안’으로 풀어냈다. 세상 모든 것이 다 불안한 것이다. 전쟁의 경험, 이념적 대립, 정치나 제도에 대한 낮은 신뢰 같은 것들이 자꾸만 불안을 만들어낸다. 장 교수는 “어떻게 보면 너무나 물질적 성장을 하고 싶어 애써 노력했고 대성공을 거두었으나, 탈물질주의 가치관으로 옮겨가지 못해 오히려 성장을 못하고 있는 상황”이라고 정리했다.

 

탈출구는 있을까. “사회 전반적으로 ‘이제 조금 내려놔도 괜찮다’는 메시지를 던질 필요가 있다”고 말했다. 또 한가지는 ‘명확한 학습’이다. 장 교수는 “불안을 완화하는 것이 복지인데 복지에 대해서도 ‘불안’이 적지 않다”며 “이 상황에서는 100원 증세한 뒤 100원 복지를 제공하는 식으로 차츰 나아진다는 경험을 확실히 제공할 필요가 있다”고 제안했다.

조태성 기자 amorfati@hankookilbo.com

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一方の法人による完全支配関係のある法人間で行われる無対価合併の適格判定及び被合併法人が有する未処理欠損金額の引継制限について照会する場合の説明資料の記載例(記載例2)
-みなし共同事業要件により引継制限の有無を判定する場合-

《照会の前提となる事実関係について》

1 組織再編成の概要

※当事会社の名称、組織再編成の態様、実行日などを記載してください。

 株式会社A社(東京都●区●1-1-1(●署))は、資本関係のない株式会社B社(東京都■区■1-1-1(■署))の発行済株式の全部を取得した後、B社を被合併法人とする吸収合併(以下「本件合併」といいます。)を行う予定です。なお、合併契約の効力発生日は、平成×2年4月1日です。

 

2 組織再編成の目的・経緯・背景

 A社は、首都圏を中心に不動産販売業を営んでいますが、この度、商圏を拡大すべく、関西圏を中心に不動産販売業を営んでいるB社を吸収合併することを検討しています。具体的には、B社の発行済株式の全部を平成×1年12月1日に×社(A社との資本関係はありません。)から取得します。4カ月の準備期間を設け、平成×2年4月1日にB社を吸収合併することを計画しています。

 

3 組織再編成の当事会社が行う事業の内容及び組織再編後の事業の異動状況

(1) A社の事業

 A社は、設立以降継続して店舗を保有するとともに従業員を雇用し、A社自身の名義で不動産販売業を営んでいます。×1年3月期における売上金額は××円、同期末の従業員は80人(×2年3月期中に従業員数の変更見込みなし)です。

(2) B社の事業

 B社は、設立以降継続して店舗を保有するとともに従業員を雇用し、B社自身の名義で不動産販売業を営んでいます。×1年3月期における売上金額は××円、同期末の従業員は60人(×2年3月期中に従業員数の変更見込みなし)です。なお、今回の合併に伴い、B社の取締役は全て退任することとし、A社の取締役が経営に従事する見込みです。

(3) 合併後の事業の継続見込み

 合併法人であるA社は、B社から引き継ぐ不動産販売業を継続する予定です。

4 組織再編成の当事会社の資本金及び株主の状況

合併法人被合併法人

  A社 B社
設立年月日 昭和Y年4月1日 昭和Z年4月1日
決算期 3月 3月
資本金 10億円 2億円
株主 甲社(50%)、乙社(50%) X社(100%)

 

5 資本関係の変遷

※ 一連の組織再編成の内容を記載するとともに、組織再編成前後の資本関係を図示してください。

(1) A社は、平成×1年12月1日にB社の発行済株式の全部を×社から取得します。なお、A社と×社との間には資本関係はありません。また、B社と甲社及び乙社との間には資本関係はありません。

(2) A社は、(1)によりB社株式を取得してから本件合併前まで継続してB社の全株式を保有します。

(3) 本件合併前後のA社とB社の資本関係の変遷は次のとおりです。

 

6 組織再編成に伴い支払う対価の有無とその内容

 本件合併においては、本件合併前に合併法人A社が被合併法人B社の発行済株式の全部を保有する関係があることから、被合併法人B社の株主であるA社には、合併法人A社の株式その他の資産は交付されません(無対価)。

 

7 引継ぎを受ける未処理欠損金額

 本件合併により、A社はB社の未処理欠損金額●●円を引き継ぐ予定です。

 

8 照会者において確認したい事項

 1から7の事実関係がある場合、本件合併は、適格合併に該当すると考えて差し支えないでしょうか。また、適格合併に該当するとした場合、A社は、B社の未処理欠損金額●●円について欠損金の引継制限の規定の適用を受けないと考えて差し支えないでしょうか。
具体的には、引継制限の規定の適用に当たっては、みなし共同事業要件を満たすと考えてよいでしょうか。

《確認したい事項に対する照会者の見解とその理由について》

※記載が困難な場合には、分かる範囲で記載してください。

【関係法令】※平成28年4月1日現在の法令を基に作成しています。

 

1 合併の適格判定について

(1) 完全支配関係

完全支配関係とは、一の者が法人の発行済株式の全部を直接若しくは間接に保有する関係として政令で定める関係(以下「当事者間の完全支配の関係」といいます。)又は一の者との間に当事者間の完全支配の関係がある法人相互の関係をいいます(法法2十二の七の六)。
 そして、上記の政令で定める関係とは、一の者が法人の発行済株式の全部を保有する場合における当該一の者と当該法人との間の関係をいいます(法令4の2②)。

 

(2) 適格合併

合併前に合併に係る被合併法人と合併法人との間にいずれか一方の法人による完全支配関係がある場合の合併で、当該被合併法人の株主等に合併法人株式以外の資産が交付されないものは、適格合併に該当します(法法2十二の八イ、法令4の3②一)。

 

(3) 無対価合併

上記(2)の合併が被合併法人の株主等に合併法人の株式その他の資産が交付されない合併(以下「無対価合併」といいます。)である場合には、合併法人が被合併法人の発行済株式の全部を保有する関係があるものに限り、適格合併に該当します(法令4の3②一かっこ書)。

 

2 適格合併が行われた場合の被合併法人の有する未処理欠損金額の引継制限について

(1) 引継制限の概要

内国法人を合併法人とする適格合併が行われた場合には、被合併法人の未処理欠損金額は合併法人に引き継がれることとされていますが(法法57②)、当該適格合併が次のイからハのいずれの場合にも該当しないときには、合併法人は、被合併法人の未処理欠損金額について引継制限を受けます(法法57③、法令112③、④)。

イ 当該適格合併がみなし共同事業要件を満たす場合(法法57③、法令112③)。

 被合併法人と合併法人との間に当該合併法人の適格合併の日の属する事業年度開始の日の5年前の日から継続して支配関係がある場合(法法57③、法令112④一)。

 被合併法人又は合併法人が当該5年前の日後に設立された法人である場合であって、当該被合併法人と当該合併法人との間に当該被合併法人の設立の日又は当該合併法人の設立の日のいずれか遅い日から継続して支配関係があるとき(法法57③、法令112④二)。

 

(2) みなし共同事業要件

みなし共同事業要件を満たす適格合併とは、適格合併のうち次のイから二までの要件又はイ及びホの要件に該当するものをいいます(法令112③)。

 被合併法人が適格合併の前に営む主要な事業のうちのいずれかの事業(被合併事業)と合併法人が適格合併の前に営む事業のうちのいずれかの事業(合併事業)とが相互に関連するものであること(事業関連性要件)

ロ 被合併事業と合併事業のそれぞれの売上金額、従業者の数、被合併法人と合併法人のそれぞれの資本金の額又はこれらに準ずるものの規模の割合がおおむね5倍を超えないこと(事業規模要件)

 被合併事業が被合併法人と合併法人との間に最後に支配関係があることとなった時からその適格合併の直前の時まで継続して営まれており、かつ、その最後に支配関係があることとなった時とその適格合併の直前の時における被合併事業の規模(ロで採用したのと同じ指標)の割合がおおむね2倍を超えないこと(被合併事業の規模継続要件)

 合併事業が合併法人と被合併法人との間に最後に支配関係があることとなった時からその適格合併の直前の時まで継続して営まれており、かつ、その最後に支配関係があることとなった時とその適格合併の直前の時における合併事業の規模(ロで採用したのと同じ指標)の割合がおおむね2倍を超えないこと(合併事業の規模継続要件)

 被合併法人の適格合併の前における特定役員(社長、副社長、代表取締役、代表執行役、専務取締役若しくは常務取締役又はこれらに準ずる者で法人の経営に従事している者をいいます。以下同じ。)である者のいずれかの者と合併法人の適格合併の前における特定役員である者のいずれかの者とがその適格合併の後に合併法人の特定役員となることが見込まれていること(特定役員引継要件)

 

(3) 事業関連性要件

上記(2)イの事業関連性要件について、次の全てに該当する合併は、事業関連性要件を満たすものとされています(法規3①、26)。

 被合併法人及び合併法人が、合併の直前において、それぞれ次に掲げる要件の全てに該当すること

   ① 事務所、店舗、工場その他の固定施設を保有し、又は賃借していること

   ② 従業者があること

   ③ 自己の名義をもって、かつ、自己の計算において商品販売等をしていること

 被合併事業と合併事業との間に当該合併の直前において、被合併事業と合併事業とが同種のものであるなどの関係があること

 

【照会者の見解】

1 本件合併の適格判定について

 本件合併前において一の者であるA社は、B社の発行済株式の全部を保有していることから、被合併法人であるB社と合併法人であるA社との間にはA社による完全支配関係があることとなります。また、本件合併は無対価合併であるところ、本件合併前にA社がB社の発行済株式の全部を保有する関係があることから、本件合併は適格合併に該当することとなります。

 

2 本件合併に係る未処理欠損金額の引継制限について

 被合併法人であるB社と合併法人であるA社との間の資本関係は、平成×1年12月1日以後生じていますので、上記の関係法令の2(1)のロとハのいずれにも該当しません。したがって、以下では、本件適格合併が2(1)のイのみなし共同事業要件を満たすかについて検討します。

 

(1) 事業関連性要件について

被合併法人であるB社と合併法人であるA社は、合併の直前において、それぞれ店舗を有するとともに従業者を有しています。また、設立以降継続して、自己の名義において不動産を販売し収入を得ていることなどからすると、自己の名義をもって、かつ、自己の計算において不動産販売業を営んでいるといえます。
 そして、被合併法人であるB社が適格合併の前に営む主要な事業(被合併事業)と合併法人であるA社が適格合併の前に営む事業(合併事業)は、いずれも不動産販売業であり、同種の事業といえますので、事業関連性要件を満たします。

 

(2) 事業規模要件について

B社が適格合併の前に営む被合併事業(不動産販売業)の従業者は60人であり、A社が適格合併の前に営む合併事業(不動産販売業)の従業者は80人です。したがって、被合併事業と合併事業の規模(従業者の数)の割合は5倍を超えず、事業規模要件を満たします。

 

(3) 被合併事業の規模継続要件について

B社が適格合併の前に営む被合併事業(不動産販売業)は、合併法人であるA社との間に資本関係が発生した平成×1年12月1日から適格合併の直前の時まで継続して営まれています。また、平成×1年12月1日における従業者の数と適格合併の直前の時における従業者の数は同数ですので、被合併事業の規模継続要件を満たします。

 

(4) 合併事業の規模継続要件について

A社が適格合併の前に営む合併事業(不動産販売業)は、被合併法人であるB社との間に資本関係が発生した平成×1年12月1日から適格合併の直前の時まで継続して営まれています。また、平成×1年12月1日における従業者の数と適格合併の直前の時における従業者の数は同数ですので、合併事業の規模継続要件を満たします。

 

(5) 特定役員引継要件について

被合併法人であるB社の適格合併の前における特定役員である者は、全て退任することが見込まれていますので、特定役員引継要件は満たさないこととなります。

 

  (1)から(5)のとおり、本件適格合併は、上記の関係法令の2(2)に掲げる要件のうち、ホ以外の要件(イから二までの要件)を満たしますので、みなし共同事業要件を満たします。したがって、合併法人であるA社は、被合併法人であるB社の未処理欠損金額を引き継ぐことができます(引継制限を受けません)。

繰越欠損金とは?期限や税効果会計の適用方法・控除限度額

繰越欠損金という言葉だけは知っているけれど、実はどのようなものかわからないという方も多いと思います。今回は、青色申告の承認を受けている法人も、これから青色申告の承認を受ける法人も、最低限確認しておくべき基礎知識を法改正まで含めて解説します。

目次 [非表示にする]

繰越欠損金とは

欠損金とは、法人税を計算する際の所得計算において、所得が赤字である場合の金額のことです。

法人税法において青色申告の承認を受けている場合には、一定期間、その欠損金を将来に繰り越して、将来の一定期間の間に発生した所得(黒字)と相殺することが認められています。この法人税法の規定に基づき、繰り越している過去の欠損金のことを繰越欠損金といいます。

繰越欠損金の計上による税効果会計

欠損金を将来に繰り越すメリットは、将来の所得(黒字)と欠損金を相殺し、将来の納めるべき法人税を少なくできる点です。以下の表は条件を非常に簡略化して、繰越欠損金を利用した際の法人税への影響額を示しています。

 

 

【繰越欠損金の利用がない場合(表の左側)】
繰越欠損金の利用がない場合は、2年目の黒字150に対して1年目の赤字が考慮されず、所得150に対して課税されることになります。このため、実効税率30%と仮定した場合、45の法人税を納めなくてはなりません。

【繰越欠損金を利用する場合(表の右側)】
繰越欠損金を利用する場合は、初年度に発生した50の赤字を翌年度以降に繰り越すことができます。このため、2年目の黒字150から、1年目の赤字50を差し引いた所得100に対して課税されることになります。実効税率を30%と仮定すると、30の法人税を納めることになります。

つまり、繰越欠損金を利用することで、上記の例のように、繰り越した将来年度の法人税を抑えることができるのです。

繰越欠損金の税効果会計適用には回収可能性の判断が必要

繰越欠損金には将来年度の法人税負担が軽減できるというメリットがあります。しかし翌年度以降も赤字が続いては、繰越欠損金を黒字と相殺して法人税を抑えることはできません。

繰越欠損金によるメリットを十分に得るためには、将来年度において法人税支払いの対象を黒字とすることが必要です。繰越欠損金には繰越可能期限が定められていて、期限切れとなると期待通りのメリットは得られなくなります。

税効果会計では、法人税に対するメリット・デメリットを正しく評価し、計上することが求められます。繰越欠損金を適用する場合は期限切れを起こさずに黒字と相殺できる可能性、回収可能性の判断が必要です。

繰越欠損金の計算も簡単会計業務をもっとラクに

繰越欠損金の適用条件や期限、控除限度額

繰越欠損金制度の利用には青色申告申請が必須

繰越欠損金制度は、事業年度単位(基本的には1年)で課税を行うことで生じる税負担の変動を平準化するための制度ですが、青色申告の法人だけに認められた特典でもあります。
繰越欠損金を利用するためには、青色申告の承認申請書を税務署へ申請する必要があります。青色申告は、基本的に申請すればどの法人も承認されるので、事業を開始したら忘れずに承認の申請を行いましょう。

繰越欠損金のその他利用要件

繰越欠損金を利用するためには、青色申告であることに加え、その他の要件を充たすことが必要となります。以下は一般的な要件になります(令和2年10月時点)。

  1. 10年以内に開始した事業年度の欠損金であること
  2. 青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金額であること
  3. 欠損金額が発生した年度後も連続して確定申告書を提出していること
  4. 帳簿書類等を適切に保存していること

なお、繰越欠損金は最も古い事業年度のものから順次損金に算入していきます。

繰越欠損金の繰越期間は10年

繰越欠損金は平成28年度の税制改正において期限が1年延長され、平成30年4月1日以後に開始する事業年度からは繰越期間が10年間とされています。

繰越欠損金の控除限度額はいくら?

欠損金について、資本金1億円以下の中小企業等には全額の繰り越しが認められていますが、大企業には上限が設けられています。平成30年4月1日以降を開始事業年度とする大企業の場合、繰越控除前の所得金額の50%が控除限度額です。それより前の控除限度額は以下の通りになっています。

平成29年4月1日~平成30年3月31日開始事業年度・・・55%
平成28年4月1日~平成29年3月31日開始事業年度・・・60%
平成27年4月1日~平成28年3月31日開始事業年度・・・65%
平成24年4月1日~平成27年3月31日開始事業年度・・・80%

繰越欠損金を抱える会社を買収・合併した場合

繰越欠損金の制度の話をすると、「繰越欠損金がある会社を買い取って、合併することで法人税負担を減らせるの?」という質問をよく受けます。

法人税法が定める要件を充たす場合には買収・合併した繰越欠損金を利用できることもありますが、繰越欠損金目的のM&A等により不当に税負担を減らすことないように、法人税法に厳しい規定が設けられているので注意しましょう。

M&Aに関する要件は、例えば以下のような項目があります。とても内容が複雑ですので、もし繰越欠損金の利用を検討している場合には、事前に会計事務所に相談しましょう。

  • 合併される法人の従業員のうち、80%以上が合併する法人の業務に従事すること
  • 合併される法人の主たる事業が、合併する法人でも引き続き継続されること
  • 合併される法人の事業と合併する法人の事業が、相互に関連していること
  • 合併される事業と合併する事業を比較した場合、売上、従業員数、資本金額などの規模が5倍を超えないこと、又は合併後の会社の役員に合併される会社の役員が就任すること
  • 合併される法人の株主で、合併後の法人の株式の全部を継続保有する合併される法人株式数の合計が、合併される法人の発行済株式等の総数の80%以上であること

繰越欠損金の制度は法改正に注意

繰越欠損金の制度は、頻繁に税法の改正が行われている部分であるため、非常に複雑な制度となっています。特に、欠損金がいつの年度に発生したものかによって、繰越せる期間が異なってきますので注意しておきましょう。

繰越欠損金の仕訳

繰越欠損金は、貸借対照表の借方に「繰延税金資産」として計上されます。繰延税金資産は会社の所得と法人税との間に差がある場合に用いられる、損金一時差異の代表的な勘定です。

記載欄は黒字との相殺により翌年度に解消見込みの場合は「流動資産」、それ以外の場合は「投資その他の資産」です。貸方、損益計算書には「法人税等調整額」が記載されます。

繰越欠損金を計上する仕訳

それでは実際に繰越欠損金計上のために必要な会計処理を見ていきましょう。

欠損金100万円について、上限を全額、実効税率30%で繰越欠損金とする場合です。

繰越欠損金=100万円×30%=30万円

仕訳は以下になります。

借方貸方

繰延税金資産 300,000 法人税等調整額 300,000

繰越欠損金制度を正しく活用して法人税負担を減らそう

繰越欠損金は、赤字を翌年度以降に繰り越すことで将来の法人税負担を軽減できる制度です。利用することで企業は事業年度間の法人税負担を平準化し、存続の安定化が図れます。繰越欠損金は特に不測の状況によって多額の赤字となったような場合に、非常に重要な制度となります。まずは青色申告の承認申請を行い、適切に帳簿を付けていく習慣を付けましょう。

よくある質問

繰越欠損金とは?

法人税法の規定に基づき、繰り越している過去の欠損金のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

欠損金を将来に繰り越すメリットは?

将来の所得(黒字)と欠損金を相殺し、将来の納めるべき法人税を少なくできることです。詳しくはこちらをご覧ください。

繰越欠損金の適用条件は?

青色申告の承認申請書を税務署へ申請すること、10年以内に開始した事業年度の欠損金であることなどです。詳しくはこちらをご覧ください。

연결재무제표 작성원리

연결재무제표는 지배회사(모회사)와 종속회사(자회사)의 사업실적을 하나로 묶어서 만든(연결시켜) 재무제표이다. 지배·종속은 지분율 50%를 기준으로 판단한다. A사가 B사 주식을 50% 이상 갖고 있다면 A사(지배회사)가 B사(종속회사)를 지배하고 있다고 보고 A사는 B사 실적을 포함한 연결재무제표를 만들어야 한다.

연결재무제표는 과정이 복잡하지만 원리는 비교적 간단하다. 종속회사의 자산 부채 등을 지배회사에 합친 후 내부거래를 제거하고 종속회사에 대한 외부 지분을 자본의 비지배지분으로 표시하면 된다. 그 다음 유가증권 등을 시가로 평가해 당기순이익이 아닌 자본의 기타포괄손익으로 처리한다.
 
다음 A, B사의 사례를 통해 작성원리를 구체적으로 알아 보자
 
(1) A사가 농산물 수입 판매를 목적으로 100억원을 출자받아 설립되다.
(2 )A사는 장난감 수입 판매회사인 K와 공동으로 각각 20억원(80%), 5억원(20%)을 출자해 판매법인 B회사(자본금 25억원)를 설립하다.
(3) A사는 농산품 70억원어치를 수입해 B사에 100억원에 외상 판매하다.
(4) B사는 출자금으로 들어온 현금 25억원을 주식(투자유가증권)에 투자하다.
(5) B사는 농산품을 외부에 판매하지 않은 상태에서 연말을 맞다.

 
위 사례에서 A사와 B사의 개별재무상태표는 각각 아래와 같다.
이를 바탕으로 A사는 연결재무제표를 다음과 같이 작성한다.

 

개별재무제표에서 연결재무제표로의 이동

첫째 A사 개별재무상태표의 자회사 주식 20억원을 삭제하고 대신 B사의 자산(125억원)과 부채(100억원)를 A사의 자산과 부채에 합친다. 이때 B사의 순자산(자산-부채)은 25억원으로 A사 자산에서 삭제된 자회사 주식가격(20억원)보다 많다. 이 차이는 K의 지분이므로 자본의 비지배지분(5억원)으로 표시한다(ⓑ).
 
둘째 내부거래를 제거한다. A사가 B사에 판매한 농산물은 외부에 판매되지 않았으므로 ③거래는 모두 삭제한다. 즉 A사의 매출채권 100억원, B사의 매입채무 100억원, A사의 당기순이익 30억원을 삭제하고 B사의 상품 100억원을 70억원으로 줄인다.
 
셋째 공정가치 평가다. 만일 B사의 투자유가증권 25억원어치가 주식시장의 활황으로 연말에 30억원으로 올랐다면 투자유가증권을 25억원에서 30억원으로 늘리면서(ⓐ) 자본의 기타포괄손익누계에 5억원을 반영한다(ⓒ). 이를 정리하면 <표3>과 같은 연결재무상태표가 된다. 연결재무상태표의 비지배지분 5억원은 K의 지분, 기타포괄손익 5억원은 실현되지 않은 투자유가증권 평가이익이다. 물론 100% 자회사라면 비지배지분은 나타나지 않는다.

연결순이익은?

사정이 바뀌어 B사가 A사로부터 매입한 상품 100억원어치를 120억원에 모두 팔았다고 하면 어떻게 될까. 그렇다면 물론 내부거래③은 모두 제거할 필요가 없다. 오히려 B사는 자산이 125억원에서 145억원으로 늘어나면서 당기순이익을 20억원 올리게 된다. 결국 A사는 종속회사인 B사와 함께 농산물을 70억원에 수입해서 120억원에 판매했으므로 총 50억원의 이익을 남기게 된다. 물론 50억원 중 4억원(20억원의 20%)은 외부 투자자인 K의 지분이다.

 
따라서 A사 연결재무상태표는 바뀌게 되는데 그 중 자본은 다음과 같이 된다.

자본금 100억원  
비지배지분 9억원(5억원+4억원)  
기타포괄손익누계 5억원  
지배기업소유주당기순이익 46억원  
(A사 이익 30억원+B사 이익 중 A사 지분 16억원)

또 포괄연결손익계산서는 다음과 같이 표시한다.

연결당기순이익 50억원  
(지배기업소유주지분 46억원, 비지배지분 4억원)  
기타포괄이익 5억원  
총포괄이익 55억원  
(지배기업소유주지분 51억원, 비지배지분 4억원)

연결재무제표에서는 지배기업소유주당기순이익 또는 지배기업소유주지분 46억원이 일반회계기준에서 말하는 실현된 당기순이익인 셈이다.

合併とは?買収、統合との違いからメリットまで徹底解説!

岸田高明

大手金融機関に入行、本社審査部にて与信審査業務、財務部にて決算業務に携わる。 有限責任監査法人トーマツに入所後、M&Aを中心とした業務を提供するファイナンシャルアドバイザリーサービス部門に所属。その後、組織再編によりデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に異動し、M&Aアドバイリー業務・財務デューディリジェンス業務・企業価値評価業務に多数従事。本記事の監修を務める。

長期的に事業を継続しようと思っても、後継者不足や経営状況の悪化などで事業継続が困難になる可能性は排除できません。そのようなときに有用なのが、企業の「合併」です。しかし、合併とは実際にどのようなものであるか分からないという方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、合併とはどのようなものなのか、買収・統合とどう違うのか、どのようなメリットデメリットがあるのかについて解説します。合併について知ることで、企業の経営力をより強化できる可能性があります。合併を考えているのであれば、まずは合併がどういうものなのかをしっかりと把握しておきましょう。

作成日: 2020年2月14日

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  1. 「合併」の定義とほかの手法との違い
  2. 合併には2種類ある
  3. 企業合併するメリット
  4. 企業合併するデメリット
  5. 企業合併の事例
  6. 合併手続きの方法
  7. 合併手続きを依頼するなら「すばる」へ!
  8. まとめ

「合併」の定義とほかの手法との違い

ひとくちに「合併」といっても、種類はさまざまです。また似たような言葉として、「買収」「提携」「統合」なども存在します。

合併はビジネスにおいてどのような意味合いをもつのか、しっかりと把握しておきましょう。合併の定義とほかの手法との違いを詳しく解説していきます。

合併とは?

ビジネスにおいて合併とは、2つ以上の法人をひとつに統合することを指します。合併することで、新たにひとつの法人格となります。詳しくは後述しますが、合併には「吸収合併」と「新設合併」があり、それぞれの合併方法で法人の立ち位置が大きく異なるのがポイントです。

似たようなものに「買収」や「提携」などがありますが、これらの方法では法人格の消滅は起こりません。合併は、法人同士の結びつきが最も強い方法です。

簡易合併とは?

合併は、「簡易合併」と呼ばれる方法で行われるケースがあります。簡易合併は、株主総会の承認を得ずに合併できます。

合併は、原則として株主総会における合併契約の承認が必要です。上場企業など多くの株主がいたり反対株主がいたりする場合は、「合併に手間がかかる」「合併自体ができない」などの問題が生じる場合もあります。

そのようなとき、簡易合併であればスムーズな合併が可能です。簡易合併を行うには「消滅会社の交付する資産の金額が、存続会社の純資産の5分の1以下であること」という条件を満たす必要があります。

また、合併に反対する株主が存続会社の総株式数の6分の1を超えた場合は、株主総会の省略はできません。存続会社で差損が発生する場合や存続会社が譲渡制限会社で譲渡制限株式を割り当てる場合も、省略できないので注意しましょう。

略式合併とは?

簡易合併以外に、略式合併という方法もあります。簡易合併と同様に、株主総会の決議がなくても合併が可能です。

略式合併では、存続会社となる親会社が、消滅会社となる子会社の10分の9以上の議決権を保有している場合に子会社側の株主総会を省略できます。吸収合併するときのみに認められており、新設合併には認められていません。
すでに支配権が高いため、株主総会を開く必要がなく、合併する側の会社の規模が大きく、合併しても存続会社への影響が少ないと判断されたときに株主総会を省けます。

合併と買収の違い

合併と似たような言葉に、「買収」があります。買収は広義的な概念であり、企業がほかの企業を支配することを総称して呼ばれます。そのため、買収の一スキームとして合併があり、その他スキームとしては株式譲渡が一般的であり、企業がほかの企業の発行済み株式を買い取る手法です。株式譲渡の場合、株式を100%完全に保有しても被買収企業は消滅しません。

合併の場合は、消滅会社は残りません。ひとつの会社として事業活動を継続していくことになります。

【関連記事】会社の買収とは?メリット・デメリットから事例までわかりやすく解説

合併には2種類ある

ここまで、合併の方法やほかの手法との違いを解説してきました。簡易合併と略式合併は、合併にいたる手続き上の手法の違いです。

ここからは、再編した組織の違いによる2種類の合併について解説します。合併には、大きく分けて「吸収合併」と「新設合併」の2種類があります。会社が置かれている状況や目的などによって、どちらかの種類を選択します。それぞれで特徴が異なるので、しっかりと把握しておきましょう。

吸収合併

吸収合併とは、一方の存続会社がもう一方の消滅会社を丸ごと取り込む合併です。消滅会社の資産や負債、権利、義務などすべてを存続会社に承継します。吸収合併後は、消滅会社は清算となり事業活動は継続しません。

大規模な会社が小規模な会社を吸収したり、親会社が子会社を吸収したりするなど、吸収合併は多くのケースで実施されています。親会社が子会社を吸収合併することにより、コスト削減やシナジー効果を生むなどのメリットを享受できます。

吸収合併にともない消滅会社の株主は、合併の対価として存続会社から金銭などをもらいます。存続会社は、現金や株式、社債などで交付可能です。

【関連記事】吸収合併とは何か!必要な手続きや仕訳について

新設合併

新設合併の場合は、新しく会社を設立することになります。吸収合併では存続会社が消滅会社の資産や負債をすべて取り込みましたが、新設合併は新しい会社に資産や負債を移します。

吸収合併の場合、消滅会社側の従業員は「吸収された側」となり、立場が弱いと感じてしまうこともあります。世間的にも「消滅会社は経営状態が悪かったから吸収された」と思われるかもしれません。

新設合併であれば、新たな会社で平等な合併というアピールができ、社員のモチベーションが下がりづらかったり、消滅会社側の社会的イメージのマイナスということが起きずらかったりします。

新設合併は、吸収合併と比較して実際に行われた事例は少数です。しかし、さまざまな機能を有した会社をまとめて新会社を設立することで、事業をより効率化できることはメリットといえるでしょう。

【関連記事】新設合併とはどんな合併?特徴や手続きの方法を徹底解説!

吸収合併と新設合併の違い

吸収合併と新設合併の大きな違いは、「許認可」や「免許」が引き継がれるかどうかです。吸収合併の場合、存続会社が有する許認可や免許は承継できます。そのため、今まで行っていた事業を合併後もスムーズに続けられます。

新設合併の場合は、許認可や免許の承継はできません。新設合併をしたのであれば、新たに許認可や免許を取得する必要があります。

合併前に上場企業であった場合、吸収合併であればそのまま上場した状態でいられます。新設合併であると上場廃止となってしまうため、再度上場するには再審査が必要です。

合併時の「登録免許税」にも差が生じます。吸収合併では、資本金が増加した部分のみに税金が発生しますが、新設合併は資本金すべてが課税対象です。新設合併は、吸収合併よりもスタート時に多くの手間がかかると考えておきましょう。

企業合併するメリット

企業合併すると、さまざまなメリットを享受できます。企業合併した際の大きなメリットは、「経営を一元化できる」「資金力を強化できる」「信用力を強化できる」の3つです。

これら3つのメリットを享受すれば、さらに力強い事業活動が可能になります。激しい競争で生き残るために、企業統合を検討する会社が多いのも頷けます。それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

経営を一元化できる

企業統合すれば経営を一元化できるので、事業の効率化や収益力の拡大を見込めます。経営の一元化には、「共通部門の一元化」と「事業展開の一体化」の2種類があります。

合併によって複数の会社で共通している部門をひとつにまとめることで、コスト削減が可能です。コストを削減した結果、効率的で無駄のない事業活動ができるようになるでしょう。たとえば、業務で使用するシステムをひとつにすれば、システム管理料を削減できます。

合併する会社が有している顧客や販売網、資材の仕入れ先などを一体化すれば、さらに大きく事業展開できる可能性が高まります。取引先が増えることで、今までよりもビジネスチャンスが拡大することがメリットです。

資金力を強化できる

合併することで資金が増加する場合は、今までよりも資金繰りが楽になる可能性があります。仮にグループ会社であったとしても、会社間でのお金のやり取りは一工夫する必要があります。お金のやり取りをする場合は、「配当」「貸付金」「経営指導料」などとして名目を明らかにする必要があります。課税されるケースも多く、事前に十分な検討をする必要があります。

合併をした場合は同じ組織になるため、資金の移動は容易です。口座間の移動に過ぎないため、資金移動の妨げになる障壁もありません。資金が必要になればスムーズに移動ができるので、機動力のある事業活動ができます。よりいっそう安定感が増し、健全な経営をできるようになるのが大きな強みといえます。

信用力を強化できる

合併により、財務状態が改善する場合には、信用力を強化できるのも大きなメリットです。合併すると会社の規模は大きくなります。資金力も改善すれば財務的な信用力も高まります。

一般的に合併は経営状態が良好で成長性のある会社が行うことが多いため、世間的にも合併にポジティブな印象を抱きやすいのもポイントです。存続会社においては、「合併できる経営状態のよさ」を世間に印象づけられ、財務的な信用力とともにブランドの信用力も向上します。

信用力が上がることで、顧客や取引先が新たに増える可能性も高まるでしょう。今後の事業活動がしやすくなり、経営力を高めることにもつながります。

【関連記事】企業合併のメリットやデメリットは?買い手・売り手ごとにも解説!

企業合併するデメリット

企業合併するメリットがあれば、デメリットもあることを把握しておきましょう。目先の利益のみを追って合併をすると、事業活動がうまくいかないおそれがあるので注意が必要です。

合併によるデメリットを軽減したり回避したりできるのか、合併を延期したほうがよいのかなどについて、しっかり検討しておきましょう。企業合併することのデメリットを詳しく解説していきます。

合併コストがかかる

ひとつめのデメリットは、合併時にかかる多額のコストです。株主への支払いや、各会社の業務や人材を融合するための費用がかかります。

複数の会社をひとつにまとめる場合、業務システムの統合が必要です。既存のシステムを使用する場合、新たな要素の追加や修正など、システムメンテナンス費用が発生します。まったく新しいシステムを導入するならば、多額の導入費用を支払わなければいけません。

合併の際は、消滅会社の社員をそのまま雇うケースが一般的です。存続会社と消滅会社のうち給与水準が高いほうに合わせることが多いため、その分人件費が増加します。合併によって資本金が1億円を超えた場合、納税額が上がる可能性も把握しておきましょう。

また、合併には複雑な知識や手続きが必要なため、各ステップで専門家への依頼も必要になるでしょう。合併前にはコストを正確に計算しておき、合併で得られる利益との比較が重要です。

意思疎通が難しくなる

合併して組織が巨大になることで縦割り構造が強くなってしまい、部門間の意思疎通が難しくなることがあります。縦割り色が濃くなると、競争意識が高まりやすくなります。会社全体の意思疎通や協調性が低下する可能性もあります。

会社全体で意思疎通が難しくなると、全社としての目標や将来的なビジョンを共有しづらくなります。進む方向もバラバラになりやすく、効率的に利益を上げられなくなる可能性もあります。

縦割りで協調性がなくなると、社員同士の交流や能力の高め合いが起こりにくく、会社全体のレベルアップが図れません。モチベーションの低下によって生産性が落ち、離職率が上がることも考えられます。合併後は、意思疎通をしやすい環境づくりが重要です。

時間的・精神的な負担がかかる

合併前後は、通常の業務を行いながら新しい従業員とのすり合わせやコミュニケーション、自分が行う業務の確認などさまざまな手続きをする必要があります。時間的にも精神的にも負担が増えるでしょう。時間外労働の増加も考えられます。

社員の不安やストレスの発生も懸念材料となります。合併によって職場環境が変わることで、慣れない環境での業務にストレスが増加するかもしれません。また、新しい従業員になじめないという問題もおこりえます。

ストレスを抱えたままだと、モチベーション低下によって生産性も下がります。合併して収益が下がっては元も子もありません。合併後は、従業員の負担を軽減する措置が必要です。

企業合併の事例

これまで、数多くの企業合併が行われてきました。特に大手の企業であると、合併が起こるたびにニュースでも取り上げられるため、目にしたことのある方もいるかもしれません。

ここからは、企業合併の事例5件を紹介します。それぞれの企業で合併をした目的は異なり、企業合併によりどのような効果を得られるのかが分かります。

ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社の事例

株式会社ファミリーマートは2016年にユニーグループ・ホールディングス株式会社を吸収合併し、「ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社」と社名を変更しています。

もとのユニーグループ・ホールディングス株式会社は、「サークルKサンクス」などを傘下に置いていた企業です。ファミリーマートとの合併で、コンビニエンスストア業界3位のファミリーマートと4位のサークルKサンクスがひとつになりました。

2018年11月に、サークルKサンクスからファミリーマートへのコンビニエンスストアブランド統合が完了しています。店舗数が増加してスケールメリットを得られた事例です。

伊藤ハム米久ホールディングス株式会社の事例

2016年4月に、伊藤ハム株式会社と米久株式会社が経営統合をしています。両社で持株会社となる伊藤ハム米久ホールディングス株式会社を設立し、傘下に入りました。

ともに業績が好調なタイミングでの経営統合であり、経営統合後の売上高は6,000億円を達成します。当時業界3位のプリマハムの売上高を超える勢いでした。

2社の経営統合の背景には、国内市場の縮小や中国などの食料需要増に対する懸念があります。「シナジー効果」「新商品の開発領域拡大」「原価低減と収益性アップ」を目的として行われました。

(参考:『日本経済新聞 伊藤ハム・米久が経営統合発表 「新興国の食欲」再編促す』)

RIZAPグループ株式会社の事例

RIZAPグループは、合併、買収等を繰り返して失敗した事例となります。失敗してしまった理由は、短期間で大きく成長させようとしたことです。

RIZAPグループは、「美容、健康関連事業」「アパレル関連事業」「住関連ライフスタイル事業」「エンターテイメント事業」の4事業を軸として事業展開してきました。しかし、軸の事業が分からなくなるほど合併、買収等を繰り返します。

合併や買収した企業を短期間で立て直すことで利益を得ようと計画していましたが、次々に合併、買収等を行ったことで立て直す時間がなくなり失敗が続いています。合併、買収等においては、企業調査と統合後のマネジメントが重要です。

株式会社ロッテホールディングスの事例

2018年4月1日に、株式会社ロッテホールディングスは3子会社の合併を行いました。菓子やアイスを製造する子会社の株式会社ロッテを存続会社とし、菓子販売の株式会社ロッテ商事とアイス販売の株式会社ロッテアイスを吸収合併しています。

お菓子やアイスに関する製造・販売をひとつの会社にまとめることにより、意思決定の迅速化を目的として合併は行われました。「挑戦できる風土」「自由に話し合える環境」「個の能力の発掘」の3つが生まれることを予想し、会社に新鮮な風を吹き込ませる期待をもっています。

(参考:『産経ニュース ロッテHD、4月に3子会社合併』)

株式会社ADKホールディングスの事例

もともとの会社である株式会社アサツーディ・ケイは、まずは複数の子会社を3つの事業会社に統一しました。3つの事業会社とは、マーケティング業の「株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ」、コンテンツ作成の「株式会社ADKクリエイティブ・ワン」、プロモーションの「株式会社ADKエモーションズ」です。

2019年1月に持株会社である「株式会社ADKホールディングス」を設立し、3つの事業会社を傘下においています。ネット広告などの市場環境の急速な変化に対応するため、スピーディーな経営判断を目的として行われました。専門性を強化することで、収益性がさらに高まることもメリットです。

(参考:『日本経済新聞 ADK、持株会社に 再上場へ備え』)

合併手続きの方法

合併を完了するには、さまざまな手続きをしなくてはいけません。会社にとっては大きなイベントとなるため、誰か一人の意思だけで合併を進めることはできず、段階を踏んで進めていく必要があります。合併の手続きは、大きく分けて10段階です。

それぞれの手続きはどれも重要です。慎重かつ確実に実行していきましょう。ここからは合併の手続き手順について詳しく見ていきます。

1.合併の準備を行う

合併を実行するためにまずすべきことは、合併の準備です。債権者への詳しい説明や、合併契約書の作成が必要となります。

会社法では、合併など組織再編をする際に影響を受ける債権者がいる場合は、組織再編を実施する旨を知らせなければいけないと決まっています。さらに、債権者が異議を述べる機会を作る必要があるため、債権者保護手続きをします。

合併契約書は、その名のとおり合併に関する契約書です。「法定記載事項」を記載しなければ契約書が無効となってしまうので注意しましょう。

2.取締役会の承認を得る

合併契約の締結前に、当事会社の業務執行決定機関で合併契約の締結に関する承認を得なくてはいけません。合併は、会社の今後の事業活動に大きく影響を与える重要なイベントです。そのため、取締役、取締役会の承認が必要になります。

取締役会を設置している会社であれば、取締役会の承認を得ることが一般的です。取締役会を設置していない会社の場合、取締役の過半数による決定が必要となります。承認されたら、次の手続きへと進みます。

3.官報公告の掲載の申し込みをする

取締役会での承認を得られたら、官報公告の掲載を申し入れます。複数の会社がひとつになる場合、法律で合併公告が義務付けられています。合併公告をする場合は費用がかかりますが、公告をしないと罰則対象となるので注意しましょう。

官報に掲載する際は、以下の項目等を確実に載せなければなりません。

・合併公告である旨・最終貸借対照表・当該事業所の名称・当該事業所の所在地・会社代表者

申し込み方法は、「郵送」「インターネット」「FAX」「事務所へ来所」などの方法があります。都合のよい方法で申し込みましょう。

4.合併契約の締結をする

取締役会の承認が得られ、官報公告の掲載申し込みが済んだら、当事会社間で合併契約の締結を行います。合併契約の締結は、合併の準備期間で作成した合併契約書を使用します。

ここまでの段階で、債権者保護手続きの準備や取締役会の承認などを行っています。しかし、まだ株主総会決議での承認決議は行われていません。そのため、当事会社間で合併契約の締結をしても、まだ効力は発生していないことになります。この段階で合併が完全に決定しているとはいえないので注意しましょう。

【関連記事】合併契約書とはどういう書類?特徴や作成方法を徹底解説!

5.債権者へ催告をする

次に、債権者へ個別催告を行います。個別催告の対象とする債権者は、金銭的に重要であるかどうかは問われていません。条文上は、影響が少ない少額の債権者に対しても個別催告が必要とされています。

個別催告を行うと手間がかかるため、少額の債権者に対しての個別催告は省略したいと考えることもありえます。しかし個別催告を省略した場合、債権者から「個別催告が行われなかった」として、合併の無効を主張されるといったトラブルの発生も考えられます。催告する債権者を限定した場合、トラブル発生のリスクがあることを把握しておきましょう。

6.事前開示書類の備置をする

事前開示書類の備置をとらなければいけません。株主や債権者が権利を行使する際に必要となるさまざまな情報を提供するという意味合いから、設置が義務付けられています。

「合併契約の内容」「対価の相当性に関する事項等」「法務省令で定めた一定事項」が記載された書類を、本店に備える必要があります。

備置期間は、以下のうちいずれか早い日から、合併の効力発生日後6か月を経過するまでと定められています。

・株主総会日の2週間前の日・株主に対する通知日・公告・催告の日のいずれか早い日・新株予約権者に対する通知、または公告の日のいずれか早い日

7.株主総会決議を実施する

当事会社の株主に対して株主総会収集通知を送付した上で、株主総会決議の開催が必要です。株主総会決議とは、株主総会において合併契約の承認決議を行うことを指します。

会社法で、株主総会決議による合併契約の承認は、合併の効力発生日の前日までに行うことが定められています。なお、簡易合併や略式合併の場合、要件を満たしていれば株主総会決議での承認は必要ありません。

8.消滅会社の決算を行う

合併により法人格がなくなる消滅会社に関しては、決算をしなくてはいけません。消滅会社は、合併の効力が発生する日の前日を決算日として会計処理を行い、最終的な決算書を作成して税務申告をします。存続会社は合併自体の会計処理が必要ですが、消滅会社に関しては必要ありません。

9.合併の登記申請手続きを行う

合併の効力が発生したあとの手続きは、合併の登記申請手続きです。登記申請書に必要な事項を記載し、法律で定められた書類を提出期限までに法務省へと提出します。

存続会社は、合併の効力が発生した日から2週間以内に法務局で手続きを済ませなければいけません。その際、ほかの必要書類とともに「変更登記申請書」を提出します。

変更登記申請書には、「登記の理由」「登記すべき事項」などを記載し、収入印紙を貼付して提出します。

10.事後開示書類の備置をする

合併の登記申請手続きが完了したら、最後に事後開示書類の備置を行います。合併の効力が発生してから、6か月間本店に備置しなくてはいけません。事後開示書類には、以下のような内容を記載します。

・合併の効力が発生した年月・合併の消滅会社における手続きの経過・会社法の規定による手続きの経過・存続会社が承継した、消滅会社の重要な権利義務に関する事項・消滅会社が備え置いた書面に記載された事項・合併による変更の登記をした日・本合併に関する重要な事項 

など

合併手続きを依頼するなら「すばる」へ!

ここまで解説してきたように、企業合併を行うと多くのメリットを享受できます。複数の会社がひとつになることで「経営の一元化」「資金力の強化」「信用力の強化」が達成でき、よりいっそう企業の経営力強化につながるでしょう。

合併の手続きは煩雑であり手間がかかります。専門的な知識も必要となるため信頼できる専門家に依頼すると安心です。

すばるは、経験と実績を積んだ「公認会計士」「弁護士」「税理士」「金融機関出身者」が在席する総合M&A会社です。合併に関する豊富な知識やノウハウをもつ専門家が、M&Aを仲介し力強くサポートします。

これまでに多くのM&Aのサポートを行い、十分な実績を有していますので安心してお任せいただけます。合併手続きは、ぜひ信頼のすばるにご依頼ください。

まとめ

合併することのメリットは計り知れません。合併がうまくいけば、経営力が強化され、今まで以上に収益を上げられる可能性を秘めています。

一方で、「合併コストが発生する」「意思疎通が困難にある」「時間的、精神的負担が発生する」などのデメリットがあり、その対策をしっかりととらなければいけません。

合併手続きを自分たちだけで行うこともできますが、手間や負担を削減したいのであればすばるの仲介サービスをご利用ください。大手監査法人系M&Aファーム出身の公認会計士や弁護士、税理士など、業界のプロフェッショナルが力強くサポートいたします。

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